2016年11月23日水曜日

棋譜ミー 誕生

"ピップおじさん"を公開してから、たくさんの方から反響をいただき、棋譜起こしソフトの開発を続けてきました。「12月までにプロトタイプ」が目標でしたが、マイルストーンをクリアすることできました。Take a look!


10月の木曽野-滝沢戦5pointマッチのムーブを、ほぼ全部解析することができました。ダイスとチェッカーとキューブの認識ができたなら、棋譜起こし部分の製造は難しくないんじゃないかと高をくくっていたのですが、実際にやってみたら(いつものことですが)思っていたより大変でした。

アプリの名前はテクノくんが付けてくれました!
私としては珍しく、クラス図を書いたり状態遷移図を作ったりと、ソフトウェアの設計もきっちりやりました。ところが、実際のプレイ動画では想定外の事象が多々発生していたので、最後は魔改造を繰り返す羽目になりました。テントを作るくらいのつもりだったのが、すでに小屋くらいの規模になってしまいました。あと2回くらい建て直したら(ソフトを作り直したら)、まともなソフトウエアになるんじゃないかと思います。

このソフトの開発を通じで、ちょっとした気づきもありました。
例えば、出目にはゾロ目とそれ以外があります。ゾロ目じゃない出目の場合は、ムーブの種類は本質的に4種類しかありません(バリエーションを含めると6通り)。それは、
  • 異なるポイントから同じポイントにチェッカーを進める(ポイントメイク)
  • あるポイントから2つのチェッカーを動かす
  • 2箇所のポイントをそれぞれ動かす(3つのバリエーションがある)
  • 一つのチェッカーを連続して動かす(ラン)
プレイするときには、どのポイントを動かすのか?という問題がありますが、棋譜起こしプログラム的には、上記が区別できれば十分です。
ところが、同じような分類をゾロ目でやってみると大変です。組み合わせの数が途端に多くなります(とはいえ、なんとか整理できるレベル)。プレイしていてもゾロ目は難しいわけですが、棋譜起こしプログラムにとってもゾロ目は難題です。

もう一つの気づきは、"on the bar"のチェッカーです。ピップを数えるときは"25"と数えているので、気づいても良さそうなものですが、バーに乗っているチェッカーは「25ポイントにある」と考えるのが正しいです。少なくともプログラム的にはそう扱った方が便利でしたし、特別扱いする理由は何もありませんでした。
この気づきが実戦で役に立つことがあるかと思っていたところで、kazuさんのブログを読んでハッとしました。バーに乗っていることによる錯覚、新たなテーマ図だなと思いました。続きはこちらで。


次の目標は、先日の名人リーグ寺尾戦19pointマッチの解析です! こんなことやってるより、ポチポチ棋譜入力した方が早いのは分かっていますが、もっと大きな野望のために開発を続けます。

2016年10月11日火曜日

バックギャモンフェスティバル 2016

10月8,9,10日に開催されたバックギャモンフェスティバル 2016に参加しました。忘れないうちに、いろいろあったことを書き残しておこうと思います。

日本選手権 1/8 サテライト

事前のネット予選にもエントリーしていましたが、2回エントリーしていずれも初戦負け。「今年はダイレクトエントリーするか・・」とも考えたのですが、ケチなので1/8サテライトにエントリーしました。
初戦の相手は、東京や横浜の例会でよくお会いする鈴木さん。「何もフェスでわざわざ対戦したくないよね」とお互いに言いつつ対戦しました。途中、スコアでリードされて危なかったのですが、逆転勝ちしました。後から振り返ってみると、この勝利が波に乗るきっかけを作ってくれたような気がします。
2回戦は小倉さん。5月の王位戦以来の対戦でした。このマッチも同じように逆転勝ち、リズムが出てきました。
サテライト決勝は、高知からいらした下元さん。初めての大会だという下元さんに対して、私は対戦中おしゃべり過ぎたようです、申し訳ありませんでした。
ということで、サテライトを勝ち上がることが出来、メインの1枠獲得しました。

日本選手権 メイン

去年の初戦は光吉さんでした。そして今年の相手も光吉さん! そんなことあるかと思いますが、全く知らないプレーヤーよりは、やり易いかもしれないです。去年は私が途中までリードしていたのに、光吉さんに最後まくられて無念の逆転負けでした。今年は一進一退の展開から、最後は私が競り勝ちました!
そして、2回戦の相手は私淑している景山プロでした! これまで対戦していただいたことは一度も無かったので、朝からワクワクしてました。試合の方は、(私を含め)大方の予想通り景山プロがリードを広げる展開となりました。スコアが開いてしまった局面でキューブをどうしたらいいかと悩む場面が多かった気がします。
最後はちょっとだけ粘りましたが、圧倒的なskillの差を感じて負けました。

日本選手権 コンソレーション

コンソレ初戦はEdでした。Edとの試合では途中トラブルがあったのですが、それは後述します。トラブルの後は、私の集中力はmaxとなり、試合は私が勝ちました。
二回戦は長尾くんでした。試合中は、長尾くんのペースに巻き込まれまいと意識してプレイしました。最後の場面では、レースで大量リードしていると判断した私の緩手を長尾くんが見逃さず、6ゾロ連発されて気持ちが折れそうでした。しかし、私もゾロ目振り返して薄氷の勝利でした。
三回戦は香港のSteve。試合の後半、私がいい目を振りすぎて、Steveがぼやくほどの展開で勝ちました。
2日目最後の試合は四鹿さんでした。この試合も出目の良さが継続し勝つことができました。

3日目となり、いよいよコンソレのベスト4でipetani魔王と対戦しました。魔王の強さはニコ生やBackgammonAceで周知の事実ですが、リアルに降臨した魔王も呆れるほど強かったです。
そんなわけで私の日本選手権は、コンソレベスト4という入賞圏内の末席でした。

スコアのトラブル

Edとの試合の中盤、私はスコアボードが更新されていないことに気づき、Edに「スコアが4-5じゃなくて、4-6だよね?」と確認したところ、「違うよ、3-6だろ」とのお答え。最初、彼は何を言っているのだろうかと理解できなかったのですが、要はお互いが記録していたスコアカードのスコアが食い違っていたことが判明したのでした。
これまでのマッチの経過を遡って、お互いの記憶と記録が正しいことを主張し合うのですが、肝心のポイントではお互いの意見が一致しません。

Ed:「君はこのゲームでどうやって2点取ったのか覚えているのかい?」
私:「覚えてませんよ じゃああなたは覚えているのですか?」
Ed:「覚えてる訳ないだろう 私は77歳だぞ!」
私:「だけどスコアボードを更新して、私が2点追加したのを見たでしょ?」
Ed:「スコアボードなんてオレは見てないよ 私のスコアカードの記録が正しいはずだ」

こんな不毛なやりとりになってしまいました。それもこれも、各ゲーム終了後にお互いのスコアカードを確認していなかった我々のブランダーです。なお悪いことに、こういう時にはマッチを録画してないんですよね・・ 後で棋譜起こしをしなかったとしても、できるだけマッチは録画しておこうと思いました。結局、大会を運営している望月さんに仲裁していただき、スコアは決まりました。

Edと議論している時、私は自分の主張を一歩も譲りませんでしたし、感情的になることもありませんでした。なぜなら、ドイツに住んでいた頃はこんなことが結構頻繁に起きていて、最後はどうなるかも見当がついていたからです。こういう時は、お互いに合意できるポイントを事実ベースで積み上げていって、ロジカルに判断すると「これは有りえないよね」というポイントが見つかれば、そこで決着をつけられます。しかし、今回のように事実が乏しい場合は、権威者(ディレクター)の判断に従う他ありません。
大事なことは、感情的になって相手を罵ったりしないことです。議論を散々したとしても、裁定が決まれば握手をしてゲーム再開です。我々がもめてしまったため、望月さんや周りのプレーヤーに大変ご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ありませんでした。

Jörgen Grandstedt

今年の世界チャンピオンにして、人類最多のthree time world championである。Jörgen Grandstedtがフェスティバルに来ていました。フェスティバルの初日、メイン本戦が始まる前にタリーズコーヒーで寛いでいたところ、Jörgenが後ろの席にやってきました。これはチャンスと思った私は声をかけ、しばらくお話させてもらいました。
「一緒に写真撮ってもらえませんか?」とお願いし、Ricoh Theta Sで撮影しました(こんな風に「自撮り」にも使えて便利ですよ)。そのあと、ひとしきりThetaを自慢したところ「そのカメラはどこで買えるのか?」と聞かれたので、その辺のカメラ屋に行けば売ってるはずと教えました。日本のお土産どうしようとかおっしゃってたので、まさかとは思いましたが・・

果たして、フェスの3日目にJörgenがやってきて、「おい、カメラ買ったぞ 使い方教えてくれ」と言われた時はビックリしました。私の営業力も大したものですねw。この後、私の自撮り棒を借りたJörgenは、渋谷の街でどんな写真撮ったかなぁ。


これから

今回の日本選手権で入賞しことに気を良くした私は、ショップで本を買ったりしました。白のダイスは、「自動棋譜取りシステム」のダイス認識をするときに、ダイスの目が黒いものも用意しておこうと思い買いました。
これからしばらくは、自動棋譜取りシステムの開発を続けたいと思います。フェスティバルで多くの方から「pipおじさん」に対するコメントをいただき、私のやる気は最高潮に高まっています。なおかつ、Phil先生も同様のシステムを開発しているそうなので、頑張らないとなーって感じです。アメリカのおじちゃん達はパワフルですね! 負けられんぞ。
目標は、12月までに棋譜取りができるプロトタイプ作って、名人リーグで実証実験に投入したいです。


最後になりますが、バックギャモンフェスティバルの運営の皆様、本当にありがとうございました。来年のフェスティバルも楽しみにしています。

2016年10月1日土曜日

"ピップおじさん" 作りました

またしても技術ネタ。バックギャモン自体の研究をしていないかと思われるかもしれませんが、まあその通りです。プログラミングが楽しくて・・

さて、愛読書である景山さんのハッピーギャモンシリーズに、以下のようなくだりがあります。曰く、ネットでバックギャモンを覚えた人が、リアルのボードでプレイするとピップが表示されていなくて戸惑うことがあると。「生ギャモンでは、ピップを数えてくれる"ピップおじさん"が側にいると思っていた」
もちろんそんな人はいませんが、本当にいたら楽できると思ったので、作りましたっ!


動画を解析してチェッカーのポジションを割り出し、ピップを計算しています。これができるまで試行錯誤を繰り返しました。例えば、画像からチェッカーを見つけるのがなかなかうまくいかず、とりあえずプロジェクトを前進させるために、チェッカーにマーカー(目印)をつけることも試しました。

こうすればそこそこうまくいくのですが、やはり根本の問題は「マーカー付きのチェッカーでプレイしている人は誰もいない」ことでした。アップロードした動画で、緑のチェッカーに"くまモンシール"が貼ってあるのは、くまモンをマーカーとして使おうとした名残ですw

動画を見ていただければお気づきと思いますが、必ずしも100%正しいピップを計算できているわけではありません。
例えば、腕でチェッカーが隠されてしまうと少ない数を表示していますし、終盤に同じポイントにチェッカーを重ねている場面でも、間違った値が表示されています。この辺りが今後の改善ポイントです。

私の目標は、バックギャモンの「自動棋譜起こし」です。チェッカーの位置が分かり、ダイスの目が読めれば、棋譜起こしができるはずです。車が自動で走る現在に、棋譜起こしが自動で出来ないわけがないのです。あともう少しで出来そうな気もしますし、まだまだ長い道のりが続いている気もします。

2016年8月19日金曜日

Let me find the best move for you! - バックギャモンボード画像解析

ここしばらく、バックギャモンで遊ぶことより優先して(そう、札幌オーブンにも行かずに!)取り組んできたことがあります。それはプログラミングです。

趣味のプログラミングなのですが、始めてみたら面白く、なおかつ、なかなかうまくいきません。まとまった時間が取れる夏休みになんとか形にしようと頑張ったので、ここまでのまとめを書いておこうと思います。

何を作っているかというと、「バックギャモンボード画像の解析ソフト」です。対戦中、難しい局面で写真を撮っておくことはよくあると思います。あとでXGなどで解析するためなのですが、いちいち入力するのが面倒という私のような人のために、画像から自動的にポジションを導き出せないものかと考えました。

試行錯誤の結果、まずは以下の画像を解析して、ベストムーブを出力することができました。
ただし、この画像しかうまく処理できません・・・(理由は後述)。

ざっくりとした処理の流れは以下の通りです。

1. 元画像から、ボードの枠の位置を特定する

2. 画像処理によって、チェッカーやバーの位置を求める


3. ダイスの目を認識する

4. チェッカーの配置とダイスの目を入力として、gnubgにベストムーブを計算させる

すべてのパイプライン処理がうまくいけば、ベストムーブが出てくるのですが、現状ではそれぞれのステップが甚だ脆弱なアルゴリズムであるため、最初に解析したMOGAMIボードのこの局面しか解析に成功しません。
バックギャモンボードは様々な色やデザインがあるため、それらすべてに対応することはおそらく無理なのですが、標準的なデザインのボードであれば、そこそこ解析できるようにしたいと考えています。

やってみるといろいろ難しいことがあると分かりました。例えば、このおしゃれな地場さんボード。ボードの位置は特定できるのですが、チェッカーを判定するのがとても難しいです。理由は、ボード上側のチェッカーが光の加減によってテカっていることです。こうなってしまうと、今のアルゴリズムでは歯が立ちません。赤坂は窓がない部屋でちょっとイヤだなと思っていたのですが、プログラムにとっては、四ツ谷と比べて赤坂の方が断然照明の条件が良いです。

他にも、まだ作りこんでない処理があります。
例えば、その局面を時計回りに解釈するのか、反時計回りとするかの問題です。ここはとりあえず「人力」です。プログラムで判定できるのかさえ見通しがありませんが、チャレンジしてみようと思っています。
スコアも問題です。スコアボードが写っていれば判読できる可能性はありますが、そんなもの写っていないかもしれないので、ここもとりあえず「人力」です。
そういえば、ダブリングキューブもまだ何もやってないな・・・

諸々の画像処理も、勉強しながら試しながら使っているのが現状ですが、ゲームをやっていて使える「手筋」が徐々に増えてくるような楽しさを感じます。多分私の実力は「バックギャモン入門」を読み終わった初級クラス並みで、これから勉強すべきことが山ほど残っています。

課題は山積していますが、私のバックギャモンとプログラミングに対する情熱で、すべて解決できると固く信じています。

2016年5月28日土曜日

Coup Classique

最近ちょっと円高になったりしたので、ふと思い立ちUSBGFのメンバーになりました。メンバーなら無料で参加できるオンラインのトーナメントがいくつか開催されているので、早速そのひとつ 2016 Federation Cupの予選にエントリーしました。
マッチの序盤で有名なあの形になりました。スコアは 5-4/17p です。


24ポイントと 21ポイントのチェッカーを逃げないと、バックギャモン負けしそうですが、ここで24ポイントに留まっていないと大損します。

次に黒が1ゾロ以外の1の目を振るとどうなるでしょうか? なんと2枚もブロットが発生するので、白の勝率が7%以上もあるのです。24ポイントのチェッカーを逃げ出してしまうと、勝率0%でギャモン負け確定ですから、大差で留まる手がよいことになります。

XGID=--CCBBC--------------A-cA-:0:0:1:65:5:4:0:17:10

X:mkisono   O:dnhamill
Score is X:5 O:4 17 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 |                  |   |       X     O  X |
 |                  |   |             O    |
 |                  |   |             O    |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   | X        X  X    |
 |                  |   | X  X  X  X  X    |
 |                  |   | X  X  X  X  X    |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 96  O: 6 X-O: 5-4/17
Cube: 1
X to play 65

    1. XG Roller++ 21/15 6/1                    eq:-1.783
      Player:   7.96% (G:0.00% B:0.00%)
      Opponent: 92.04% (G:69.33% B:18.52%)

    2. XG Roller++ 21/10                        eq:-1.786 (-0.003)
      Player:   7.58% (G:0.00% B:0.00%)
      Opponent: 92.42% (G:69.07% B:18.37%)

    3. XG Roller++ 24/18 21/16                  eq:-2.021 (-0.238)
      Player:   0.00% (G:0.00% B:0.00%)
      Opponent: 100.00% (G:100.00% B:0.00%)

    4. 1-ply       24/19 21/15                  eq:-2.166 (-0.384)
      Player:   0.02% (G:0.00% B:0.00%)
      Opponent: 99.98% (G:99.68% B:13.89%)

    5. 1-ply       24/13                        eq:-2.167 (-0.384)
      Player:   0.02% (G:0.00% B:0.00%)
      Opponent: 99.98% (G:99.73% B:13.89%)


eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

実戦では、私はこの形を知っていたので 24ポイントに留まりました。そして相手の目は21!
でもこれでだけでは、勝利まではまだ長い道のりです。
  • オンザバーからヒットする
  • ただヒットするだけじゃなくて、2枚ヒットするように頑張る
  • 2枚ヒットしてクローズアウトする


ここまですべてうまくいって上の形になったとしても、まだキューブを打てません。勝率は68%でした。(スコアは0-0/17pにしました)

XGID=bBBBCCC-------------------:0:0:1:00:0:0:0:17:10

X:mkisono   O:dnhamill
Score is X:0 O:0 17 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  | O |                  |
 |                  | O |                  |
 |                  |   | X  X  X          |
 |                  |   | X  X  X  X  X  X |
 |                  |   | X  X  X  X  X  X |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 57  O: 50 X-O: 0-0/17
Cube: 1
X on roll, cube action

Analyzed in XG Roller++
Player Winning Chances:   68.28% (G:0.00% B:0.00%)
Opponent Winning Chances: 31.72% (G:0.00% B:0.00%)

Cubeless Equities: No Double=+0.366, Double=+0.741

Cubeful Equities:
       No double:     +0.609
       Double/Take:   +0.542 (-0.067)
       Double/Pass:   +1.000 (+0.391)

Best Cube action: No double / Take
Percentage of wrong pass needed to make the double decision right: 12.7%

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2


このあと何枚くらい上がったらキューブを打てるか覚えていなかったので、調べてみました。
スペアの配置がよければ、2枚上がった以下のところでダブルです。

XGID=bBBCCC--------------------:0:0:1:00:0:0:0:17:10

X:mkisono   O:dnhamill
Score is X:0 O:0 17 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  | O |                  |
 |                  | O |                  |
 |                  |   |    X  X  X       |
 |                  |   |    X  X  X  X  X |
 |                  |   |    X  X  X  X  X |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 42  O: 50 X-O: 0-0/17
Cube: 1
X on roll, cube action

Analyzed in XG Roller++
Player Winning Chances:   73.91% (G:0.00% B:0.00%)
Opponent Winning Chances: 26.09% (G:0.00% B:0.00%)

Cubeless Equities: No Double=+0.478, Double=+0.975

Cubeful Equities:
       No double:     +0.804 (-0.023)
       Double/Take:   +0.827
       Double/Pass:   +1.000 (+0.173)

Best Cube action: Double / Take

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2


スペアの配置が悪ければ、3枚上がったところでダブルです。

XGID=bBBBBBB-------------------:0:0:1:00:0:0:0:17:10

X:mkisono   O:dnhamill
Score is X:0 O:0 17 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  | O |                  |
 |                  | O |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   | X  X  X  X  X  X |
 |                  |   | X  X  X  X  X  X |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 42  O: 50 X-O: 0-0/17
Cube: 1
X on roll, cube action

Analyzed in XG Roller++
Player Winning Chances:   74.73% (G:0.00% B:0.00%)
Opponent Winning Chances: 25.27% (G:0.00% B:0.00%)

Cubeless Equities: No Double=+0.495, Double=+1.005

Cubeful Equities:
       No double:     +0.813 (-0.038)
       Double/Take:   +0.851
       Double/Pass:   +1.000 (+0.149)

Best Cube action: Double / Take

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

実戦では、ベアオフがうまくできずにギャップが出来てしまいました。それでもダブルしてよさそうですが・・


ここでダブル出来なかったので、160点のエラーでした。

XGID=bDBC--B-------------------:0:0:1:00:5:4:0:17:10
X:mkisono   O:dnhamill

Score is X:5 O:4 17 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  | O |                  |
 |                  | O |                X |
 |                  |   |          X     X |
 |                  |   | X        X  X  X |
 |                  |   | X        X  X  X |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 29  O: 50 X-O: 5-4/17
Cube: 1
X on roll, cube action

Analyzed in XG Roller++
Player Winning Chances:   73.89% (G:0.00% B:0.00%)
Opponent Winning Chances: 26.11% (G:0.00% B:0.00%)

Cubeless Equities: No Double=+0.478, Double=+1.008

Cubeful Equities:
       No double:     +0.670 (-0.160)
       Double/Take:   +0.829
       Double/Pass:   +1.000 (+0.171)

Best Cube action: Double / Take

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2


ここまで勝率が違うとすると、自分がリードしている側としては Coup Classique の形を避けなければなりません。kazuさんのブログに秘密が書いてあります。

2016年5月22日日曜日

Go for the jugular

バックギャモンのポジションが投稿されているページがいくつかあります。私が常に見ているのは以下のページです。
どのページにも、ポジションとそれに対するコメントがあるのでとても参考になります。この他にも似たようなページがあったら教えてほしいです。

最近では、UKBGFの Position of the Week #3がおもしろいポジションでした。


これを見たとき、いわゆる"クイズファクター"が無ければ、13/8, 22/21 だと思いましたが、わざわざ取り上げているポジションだけに、6/1, 6/5* もあるのかな?くらいに見てました。
果たして最善手は、6/1, 6/5* でした!

青はブリッツの態勢なので、黒にアンカーを取らせたくありません。5ポイントにアンカーを取られると攻撃が継続できないので、5ポイントをヒットするべきです。ムーブ後は相手を2枚バーに上げて、3ポイントボードなのですから満足でしょう。

 it’s time to go for the jugular with 6/5* 6/1. とある通り、もっとも重要な仕事である「相手にアンカーを取らせない」ことが大事です。ちなみに、この表現を見たとき、「なるほど、チェッカーをお手玉のように転がせってことか」と私は思ったのですが、どうも意味が通じない。jugular=juggler と勘違いしていただけでした。(go for the jugularって熟語を覚えたぞ)

この問題のいいところは、まず明白と思われる13/8を決めてから残りの1を探していても、絶対に最善手にたどり着かないことです。この格言の通りだと思いました。
Many, possibly most, inferior moves are made not because the best play was considered and then rejected, but because the best play was completely overlooked.
-- Kit Woolsey
XGID=aA-BBaB-A---dE-a-c-e--A-A-:0:0:1:51:0:2:0:5:10

X:Player 1   O:Player 2
Score is X:0 O:2 5 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 | X     O     O    |   | O        X     X |
 | X           O    |   | O                |
 | X           O    |   | O                |
 | X                |   | O                |
 | X                |   | O                |
 |                  |BAR|                  |
 |                  | O |                  |
 | O                |   |                  |
 | O                |   |                  |
 | O                |   | X     X  X       |
 | O           X    |   | X  O  X  X     X |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 146  O: 161 X-O: 0-2/5
Cube: 1
X to play 51

    1. Rollout¹    6/1 6/5*                     eq:+0.510
      Player:   56.83% (G:26.50% B:0.84%)
      Opponent: 43.17% (G:11.69% B:1.06%)
      Confidence: ±0.015 (+0.495..+0.525) - [100.0%]
      Duration: 4 minutes 29 seconds

    2. Rollout¹    24/23 13/8                   eq:+0.412 (-0.098)
      Player:   55.99% (G:19.37% B:0.93%)
      Opponent: 44.01% (G:11.37% B:0.87%)
      Confidence: ±0.011 (+0.401..+0.424) - [0.0%]
      Duration: 5 minutes 02 seconds

    3. Rollout¹    22/21 13/8                   eq:+0.399 (-0.110)
      Player:   56.41% (G:19.83% B:0.94%)
      Opponent: 43.59% (G:10.78% B:0.77%)
      Confidence: ±0.013 (+0.387..+0.412) - [0.0%]
      Duration: 5 minutes 09 seconds

    4. 2-ply       13/7                         eq:+0.295 (-0.215)
      Player:   53.81% (G:20.58% B:0.82%)
      Opponent: 46.19% (G:12.47% B:0.75%)

    5. 2-ply       24/18                        eq:+0.260 (-0.250)
      Player:   52.82% (G:17.10% B:0.62%)
      Opponent: 47.18% (G:12.66% B:0.55%)


¹  1296 Games rolled with Variance Reduction.
   Moves: 3-ply, cube decisions: XG Roller


eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2


このように6ポイントを外していくようなケースは、むしろ終盤に多いと思ってました。例えば以下の局面。スコアは0-2/7pで、白の私が負けています。


ピップで大幅に負けているので黒のバックマンを逃がしたくありません。あいにくヒットできない目を振ってしまった・・ ように見えますが、6/1, 6/4* というおしゃれな手があった! 実戦では全く気が付かず、残念でした。

XGID=-ADBaBBB---a----bcbcBc----:1:-1:1:52:2:0:0:7:10

X:mkisono   O:shirofukurou
Score is X:2 O:0 7 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 |          O  O  O |   | O  X  O          | +---+
 |          O  O  O |   | O  X  O          | | 2 |
 |             O    |   | O     O          | +---+
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |             X    |
 |                  |   |             X    |
 |                X |   | X  X     X  X    |
 |    O           X |   | X  X  O  X  X  X |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 91  O: 121 X-O: 2-0/7
Cube: 2, O own cube
X to play 52

    1. XG Roller++ 6/1 6/4*                     eq:-0.304
      Player:   47.97% (G:14.02% B:0.07%)
      Opponent: 52.03% (G:9.89% B:0.47%)

    2. XG Roller++ 7/5 7/2                      eq:-0.580 (-0.276)
      Player:   42.16% (G:7.68% B:0.06%)
      Opponent: 57.84% (G:10.88% B:0.42%)

    3. 1-ply       7/2 3/1                      eq:-0.774 (-0.470)
      Player:   36.56% (G:4.90% B:0.02%)
      Opponent: 63.44% (G:12.28% B:0.26%)

    4. 1-ply       7/5 6/1                      eq:-0.836 (-0.532)
      Player:   34.41% (G:4.91% B:0.03%)
      Opponent: 65.59% (G:10.83% B:0.32%)

    5. 1-ply       20/13                        eq:-0.862 (-0.558)
      Player:   35.52% (G:11.53% B:0.14%)
      Opponent: 64.48% (G:14.36% B:0.54%)


eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

2016年5月21日土曜日

2016 王位戦 Day 2 その4 (那須戦)

第8ラウンドは那須さんとの対戦でした。
こでぶさん同様、那須さんにもあんまり勝った記憶が無くて、実際のところ1勝3敗の成績でした。特に思い出されるのは、2015年の名人リーグ。19ポイントマッチで、28ゲームもやって、負けた・・
那須さんとのマッチはこういう展開になりがちなので、このペースに引き込まれないようにするのが肝要と思ってはいたのですが。


このような1点ずつ動く展開にしてはいけないのに、やっぱりそうなってしまいました。第6ゲームでスコアは2-3/7p 白の私の番です。キューブアクション?


「さすがにこれはテイクしてくれるだろう」と思ってダブルしたのですが、那須さんは「これはテイク、ボットには怒られるけどいいや」みたいなことをおっしゃってパスしました! うーむ、あくまでも自分のスタイルを崩さない那須さん。突破口はあるのか?

XGID=-BCBbBBB-A-----bcb-bA-aab-:0:0:1:D:2:3:0:7:10

X:mkisono   O:nasu
Score is X:2 O:3 7 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 |       O  O  O    |   | O  X     O  O  O |
 |       O  O  O    |   | O              O |
 |          O       |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |             X    |
 |                X |   | X  X  O  X  X  X |
 |          X     X |   | X  X  O  X  X  X |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 79  O: 124 X-O: 2-3/7
Cube: 1
X on roll, cube action

Analyzed in Rollout
No double
  Player Winning Chances:   71.87% (G:13.07% B:0.12%)
  Opponent Winning Chances: 28.13% (G:3.12% B:0.06%)
Double/Take
  Player Winning Chances:   71.54% (G:13.31% B:0.14%)
  Opponent Winning Chances: 28.46% (G:3.03% B:0.06%)

Cubeless Equities: No Double=+0.524, Double=+1.090

Cubeful Equities:
       No double:     +0.685 (-0.146)
       Double/Take:   +0.832
       Double/Pass:   +1.000 (+0.168)

Best Cube action: Double / Take

Rollout:
  1296 Games rolled with Variance Reduction.
  Moves: 3-ply, cube decisions: XG Roller
  Confidence No Double: ± 0.011 (+0.674..+0.696)
  Confidence Double:    ± 0.014 (+0.818..+0.846)

  Double Decision confidence: 100.0%
  Take Decision confidence: 100.0%

  Duration: 5 minutes 10 seconds

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2


4-4/7pで迎えた第9ゲーム(やっぱり1ポイントずつしか動いていない)。珍しく那須さんからキューブが来たので迷わずテイク。その後、終盤にチャンスが来ました。キューブアクション?


黒がパスすると、1away-3awayになるので、マッチ勝率が25%。よってテイクポイントはそれくらいです。
白の勝率はどれくらいでしょうか? 17通りでヒットできれば勝ちとするとおよそ半分。次に黒が逃げられない目が、11,12,13,14,15,22,23,24,33,66 = 16通り。これを3割くらいで打てるとすると、5通りくらい勝ち。全部で22/36。さらに、デカゾロを振って勝つパターンもあるので、結構な勝率です。とはいえ、75%は超えていない。絶好のキューブタイミング!

実戦では、残念ながらダブルしてないんだよなー・・ これじゃあ勝てない。

XGID=-BBACBCa-----B---b---dbdb-:1:1:1:00:4:4:0:7:10

X:mkisono   O:nasu
Score is X:4 O:4 7 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 | X           O    |   |       O  O  O  O |
 | X           O    |   |       O  O  O  O |
 |                  |   |       O     O    |
 |                  |   |       O     O    |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   | X     X          | +---+
 |                  |   | X  X  X     X  X | | 2 |
 |                O |   | X  X  X  X  X  X | +---+
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 75  O: 66 X-O: 4-4/7
Cube: 2, X own cube
X on roll, cube action

Analyzed in XG Roller++
Player Winning Chances:   67.14% (G:3.19% B:0.03%)
Opponent Winning Chances: 32.86% (G:0.84% B:0.01%)

Cubeless Equities: No Double=+0.366, Double=+0.692

Cubeful Equities:
       No redouble:     +0.504 (-0.189)
       Redouble/Take:   +0.692
       Redouble/Pass:   +1.000 (+0.308)

Best Cube action: Redouble / Take

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

このあとクロフォードゲームをしのいで、DMPになりました。ハイアンカー取ってホールディングゲームしてますが、ここで私は絶対にしなくちゃいけないことがあった。


那須さんはピップでリードしてますが、実は結構危ない。安全に着地できるポイントは少ないし、インナーにブロットが2つもある。逆に言うと、私は相手をヒットするチャンスを最大化すべく、今すぐアンカーをバラすべきだったのです! プレッシャーがかかっている状況でも、ボード全体を見て、局面を正しく理解する重要性を痛感しました。

XGID=---CCBBC-a-a-----b-bBacad-:1:-1:1:32:5:6:0:7:10

X:mkisono   O:nasu
Score is X:5 O:6 7 pt.(s) match.
 +13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
 |             O    |   | O  X  O  O  O  O | +---+
 |             O    |   | O  X     O     O | | 2 |
 |                  |   |          O     O | +---+
 |                  |   |                O |
 |                  |   |                  |
 |                  |BAR|                  |
 |                  |   |                  |
 |                  |   |                  |
 |                X |   |       X  X       |
 |                X |   | X  X  X  X       |
 |    O     O     X |   | X  X  X  X       |
 +12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count  X: 104  O: 77 X-O: 5-6/7
Cube: 2, O own cube
X to play 32

    1. XG Roller++ 20/15                        eq:-0.123
      Player:   43.87% (G:9.19% B:0.47%)
      Opponent: 56.13% (G:5.63% B:0.04%)

    2. XG Roller++ 20/18 7/4                    eq:-0.177 (-0.055)
      Player:   41.13% (G:7.54% B:0.37%)
      Opponent: 58.87% (G:3.39% B:0.03%)

    3. XG Roller++ 20/18 4/1                    eq:-0.184 (-0.061)
      Player:   40.79% (G:8.38% B:0.38%)
      Opponent: 59.21% (G:4.08% B:0.04%)

    4. XG Roller++ 7/2                          eq:-0.223 (-0.100)
      Player:   38.84% (G:6.19% B:0.24%)
      Opponent: 61.16% (G:2.40% B:0.02%)

    5. 3-ply       4/1 3/1                      eq:-0.220 (-0.097)
      Player:   39.00% (G:5.82% B:0.16%)
      Opponent: 61.00% (G:2.01% B:0.01%)


eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2


そんなわけで、那須さんに負けて私の王位戦は終わりました。「7位」は自分としては上出来でうれしかったのですが、あと一つ勝てば「入賞」だったことに気づき、表彰式を見ていてだいぶ悔しい思いがこみ上げてきました。
一方で、丸山部長が準優勝だったのはすごくうれしかったです。

初日はPR5点台だったけど、二日目は7点台。トータルではやっぱり6点台でした。特に、那須さんに負けた試合は9点越えちゃってて、力尽きてる感がありました。

ますます楽しくなってきたバックギャモン。これからも精進したいと思います。