25ポイントのロングマッチなので、まだ棋譜入力も全部終わっていませんが、序盤のポジションで理解できない解析結果がありました。
解析の結果、XGにひどく叱られた場面。何故そんなにダメなのか理由づけできず、望月プロに教えを乞いました。みなさんならどうムーブしますか? 4-7/25pで白が負けている場面ですが、マネーでもベストムーブは同じです #バックギャモン pic.twitter.com/rQgm9AfsD6
— Masahiro Kisono (@mkisono) April 7, 2014
Twitterでつぶやいたところ、多くのコメントや反応をいただきました。ありがとうございます! 私が理解したXGの解析結果をまとめておきます。実戦はポイントマッチですが、解析はマネーゲームとして実施しました。まずここまでのゲーム展開です。
黒 64 : 24/18, 13/9
白 51 : 13/7*
黒 11 : Bar/23, 6/5(2)
次に31を降った私は、さぞかし悩んでいるかと思いきや、マッチの録画を見返すと、その前の51の方が長考してますね…
局面の分析としては、ピップは同等ですが、3手目にして黒は多くのことを成し遂げています。
- 5ポイントを作っている
- 6ポイントのスタックを解消している
- インナーへのビルダーを配置している
- バックマンをスプリットしている
それに対して白は窮屈な形で、すぐに形勢を挽回するには1,3,4,6いずれかのゾロ目が必要な、すでに劣勢の状況でした。
解析の結果は一番下に貼り付けましたが、おそらく実戦で私は、ベストムーブを全く考慮していなかったように思います。31が出たので、反射的に5ポイントメイクを考えたはずですが(そんなような手の動きをしている)、2か所からダイレクトショットで狙われるのを嫌って、バーを作ったと思います。残りの3を探して、バックマンをスプリットしては、いい形に配置されている9枚の攻めゴマから狙われて耐えられないだろう、と考えたかもしれません。
そうなると、残りの選択肢はミッドから一枚降ろすしかないでしょう、まあそんなに悪いことないでしょう、たぶん、きっと・・・
これらのポジションの優劣を付けるのが難しかったのですが、「次の悪い目」を調べると、だいたい答えにたどり着くように思いました。
13/10 8/7
XGの Dice Distribution機能は超絶便利だと思います。これを使うとすべての出目の優劣が簡単に視覚的に表現できます。その反面、自分で考えないからよくないなー、とも思います。
このムーブの問題は、白の10ポイントにあるブロットが、黒の2枚のバックマンから狙われてしまうことです。白のボードがスカスカであるために、26,35,36,45 の8通りでヒットされます。ヒットされた後には何も残らず、5ポイント作っておけばよかった、という後悔が残りそうです。
なおかつ、黒に小さい目が出れば、新たなインナーポイントを作られたり、とにかくいいことがありません。
10ポイントは一見ビルダーに見えますが、8ポイントと7ポイントはストリップしており塩漬けなので、ビルダーとしての柔軟性は大変低いです。
バーポイントを作ってバックマンを割る手では、2,4,5が出ると困るのですが、24/21, 8/7を選択してもその目はやはり悪い。ならば都合の悪い目が増えているだけのこの手はブランダーなのです。
8/5 6/5
@mkisono @shi8u うん、スタック解消しながら好ポイントを抑え、ハイアンカーを作らせない5ポイントメイクだな、やっぱり。バーポイントよりも重要。
— ぷれじ (@Pureji1980) April 7, 2014
5ptメイク自体は少なくともプラスの手。相手はバー作るなり、インナーつくるなりしたい。打つ時はそれができない。打たれてもリターンヒットある。
— すなふきん@初代韋駄天 (@snafkin_bg) April 7, 2014
@mkisono スタック退治できるのと、スプリットが嫌な雰囲気なので、五ポイント作りそうな気が
— go maruyama (@gomaru) April 7, 2014
@mkisono 5pt作るなあ。でも、何か流れに変化つけたい場合、バー作ってアンカー割る。こういうのオカルトという人もいるが。
— 塚田秀人 (@tsukapon0903) April 7, 2014
確かにもっとも有力に思える手。しかし、当然ながら5と6が絡む目はすべて黒にとって良い目になってしまう。図で表現されている黄色っぽいエリアがとっても広いじゃないか! 次の図と比べましょう。
24/21 8/7
僕は5ptメイクじゃない気がしますこれ 5ptメイクはスタックも解消できて気分が良いのですがバーのブロットを打たれた際にすでに相手が攻め駒9枚でバランスよくビルダーがいる状況が気に入らないです バーメイクしてバックマンを割れば十分不満のない形かなと思います。どうだろうか
— ふらっぴ@がんばる準備中 (@flappy2525) April 7, 2014
なんと、この手がオカルトではなくてベストムーブです!理由は、相手のいい目が2,4,5の組み合わせであること、です。5ポイントを作るムーブでは、次に黒に5か6が出ても良かったのですが、白にバーポイントを作られバックマンを割られると、むしろ黒にとっての都合のよい目が減っているのでした。こうやって時間をかけて調べない限り、分かりづらい事実なんではなかろうか、と思いました。黒のいい感じの9枚の攻めごまを前にして、バックマンを割るのを(よく考えもせずに)避けてました。
黒にとって都合のよい10通りの目が出なければ、まるで問題ありません。黒としては、ルースヒットせざるを得ない場面もあるのでした(以下の青にした8通り)。そうすればリターンヒットする楽しみもあります。これは望月プロに教えていただきました。
1st roll 1st move 2nd roll 2nd move Equity Lose Bg Lose Gammon Lose Single Win Single Win Gammon Win BG Rolled # of Dices
64 13/7 8/4* -0.100 0.7% 16.3% 52.3% 47.7% 15.1% 1.1% 2
32 24/21 23/21 -0.139 0.4% 12.2% 53.4% 46.6% 8.2% 0.2% 2
61 13/7 8/7 -0.141 0.6% 14.1% 54.0% 46.0% 11.8% 0.5% 2
51 23/22 9/4* -0.156 0.6% 15.6% 53.8% 46.2% 11.6% 0.5% 2
31 13/9 -0.168 0.6% 13.7% 54.8% 45.2% 11.1% 0.4% 2
21 9/7 8/7 -0.173 0.6% 13.4% 55.1% 44.9% 11.1% 0.4% 2
63 13/4* -0.174 0.7% 17.0% 54.0% 46.0% 12.8% 0.7% 2
65 9/3 8/3 -0.176 0.6% 16.3% 54.2% 45.8% 10.9% 0.4% 2
53 23/20 9/4* -0.191 0.6% 15.6% 54.7% 45.3% 11.2% 0.5% 2
41 23/22 13/9 -0.230 0.6% 14.0% 56.5% 43.5% 10.2% 0.3% 2
62 13/7 9/7 -0.233 0.6% 14.6% 56.5% 43.5% 10.4% 0.3% 2
11 23/22 9/7 8/7 -0.239 0.6% 13.5% 56.9% 43.1% 10.0% 0.3% 1
43 23/20 13/9 -0.246 0.6% 14.5% 56.8% 43.2% 10.2% 0.4% 2
33 13/4* 4/1* -0.296 0.6% 21.1% 56.0% 44.0% 10.9% 0.5% 1
66 13/1*(2) -0.382 0.5% 25.0% 56.6% 43.4% 9.7% 0.4% 1
55 13/3 9/4* 8/3 -0.476 1.0% 23.9% 60.2% 39.8% 9.6% 0.4% 1
52 9/4* 6/4 -0.592 1.0% 21.4% 63.5% 36.5% 8.2% 0.3% 2
42 8/4* 6/4 -0.619 1.1% 21.9% 63.8% 36.2% 8.2% 0.4% 2
54 9/4* 8/4 -0.634 1.1% 22.9% 63.8% 36.2% 8.0% 0.3% 2
22 23/21 8/4* 6/4 -0.726 1.0% 22.1% 65.8% 34.2% 7.2% 0.3% 1
44 24/20 13/9 8/4*(2) -0.735 1.1% 24.5% 65.8% 34.2% 7.0% 0.3% 1
解析結果
Score is X:0 O:0. Unlimited Game, Jacoby Beaver
+13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
| X O O | | O O X |
| X O | | O O X |
| X O | | O |
| X | | |
| | | |
| |BAR| |
| | | X |
| O | | X |
| O X | | X |
| O X | | X |
| O X X | | X O O |
+12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count X: 161 O: 160 X-O: 0-0
Cube: 1
X to play 31
1. Rollout¹ 24/21 8/7 eq:-0.331
Player: 42.56% (G:11.28% B:0.56%)
Opponent: 57.44% (G:18.14% B:0.79%)
Confidence: ±0.016 (-0.347..-0.315) - [100.0%]
Duration: 11 minutes 52 seconds
2. Rollout¹ 8/5 6/5 eq:-0.384 (-0.053)
Player: 41.06% (G:12.05% B:0.60%)
Opponent: 58.94% (G:18.78% B:1.37%)
Confidence: ±0.018 (-0.403..-0.366) - [0.0%]
Duration: 12 minutes 57 seconds
3. Rollout¹ 13/10 8/7 eq:-0.467 (-0.136)
Player: 39.46% (G:10.86% B:0.48%)
Opponent: 60.54% (G:19.98% B:1.37%)
Confidence: ±0.017 (-0.485..-0.450) - [0.0%]
Duration: 12 minutes 00 second
4. 3-ply 8/7 6/3 eq:-0.487 (-0.156)
Player: 38.41% (G:9.43% B:0.38%)
Opponent: 61.59% (G:19.88% B:1.39%)
5. 2-ply 24/21 7/6 eq:-0.477 (-0.146)
Player: 37.26% (G:8.92% B:0.35%)
Opponent: 62.74% (G:19.34% B:0.86%)
¹ 1296 Games rolled with Variance Reduction.
Moves: 3-ply, cube decisions: XG Roller
eXtreme Gammon Version: 2.10
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