この本は、中盤の悩ましいポジションが120問収録されており、たっぷり悩むことができます。いいなと思ったところは、解説がたっぷり書いてあることです。一問につき、だいたい1から2ページの解説がみっちり書いてあり読みごたえがあります。各ポジションについて、XGのロールアウト結果も載っています。
解説のそこかしこに様々なアイデアが紹介されており、最善手を考えるための引き出しが増えたように思います。たとえば、Sam Pottle's Law。横浜例会にもたまにいらっしゃるSamさんの名を冠した「法則」です。内容は、「残り一枚のバックマンはいつでも走らせろ」というものです。もちろん、これが常に成り立つ法則とは思いませんが、少なくとも考慮に値するオプションとなるケースは多いと思います。ちなみに、マリンタワーでSamさんにお会いした時、「本に法則が載ってましたよ」と伝えておきましたw
この本の問題#24 は、まさにPottleの法則が成り立っている例です。自分のバックマンがビルダー豊富な4プラの後ろにおり、なおかつ相手のスプリットしたバックマンも捕まえておかなくてはならない。日野理論で言うところのまさに仕事が多い状態です。バックマンを走らせることによって、少なくともバックマンを逃がすという自分の仕事を減らすのが良いケースです。
他にはTMP(Too Many Points)も役立つアイデアだと思いました。自分がクリアしなければいけないポイントが多すぎる状態を表しています。
たとえば、今期の名人リーグでのめろんさんとの対戦で、私がやらかしてしまったこのポジション。4-12/19pで白の私が負けています。2ゾロが出ました。
ここで私は、13/11(2), 6/4(2)とやってしまいました。ムーブの前はクリアすべきポインtが2つだったのを4つに増やしたうえ、すべてのポイントがストリップとなり非常によくないです。
ということで、もう一度読み返したい良書だと思います。
XGID=-ADBab--D----D--b--cbbba--:1:-1:1:22:4:12:0:19:10
X:kisono O:melon
Score is X:4 O:12 19 pt.(s) match.
+13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
| X O | | O O O O O | +---+
| X O | | O O O O | | 2 |
| X | | O | +---+
| X | | |
| | | |
| |BAR| |
| | | |
| X | | X |
| X | | X |
| X | | O X X |
| X | | O O X X X |
+12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count X: 99 O: 123 X-O: 4-12/19
Cube: 2, O own cube
X to play 22
1. XG Roller++ 13/11(4) eq:+0.092
Player: 58.16% (G:3.10% B:0.03%)
Opponent: 41.84% (G:6.87% B:0.12%)
2. XG Roller++ 8/6(4) eq:+0.055 (-0.037)
Player: 56.02% (G:5.09% B:0.05%)
Opponent: 43.98% (G:10.22% B:0.19%)
3. XG Roller++ 13/9(2) eq:+0.010 (-0.082)
Player: 54.49% (G:4.89% B:0.07%)
Opponent: 45.51% (G:11.74% B:0.32%)
4. XG Roller++ 13/11(2) 8/6(2) eq:-0.029 (-0.121)
Player: 52.74% (G:4.79% B:0.07%)
Opponent: 47.26% (G:11.89% B:0.31%)
5. 2-ply 8/6(2) 3/1(2) eq:-0.088 (-0.180)
Player: 50.50% (G:3.71% B:0.03%)
Opponent: 49.50% (G:11.64% B:0.27%)
eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2