Nothing but the Blunder: 4月 2015

2015年4月27日月曜日

Perfect game! Well, almost.

深澤さんとのマッチより。

2マッチ目は5ポイントマッチで、私はクロフォードを取られています。結局のこのゲームがラストゲームとなり、私は負けるのですが、どうも納得がいかない。これといったミスをしたつもりはないのですが、負けは負け。解析結果を眺めてみました。

すると、深澤さんにも私にも目立ったエラーはありません。強いてあげると私の三手目です。こんな進行でした。白が私です。

XG曰く、ここではミッドから2枚降ろすのが良いとのことです。何故でしょうか？

この局面を分析すると、

ピップはほぼ互角
どちらもボードは作っていない　黒はビルダー豊富でボード作るのは容易
白は15ポイントに中途半端にバックマンが逃げ出している
白は安全にlandingできるポイントが少なく、なんか窮屈な形
黒は3ポイントにアンカーしているが、これをうまく逃げ出すには4ゾロ・6ゾロが理想

よくありがちな mutual holding gameとはやや趣が異なります。
しかも、クロフォードなので白はキューブが使えません。

実戦で私は、せっせとインナーを作ったものの、深澤さんは絶妙なタイミングで4ゾロを振り、そのままレースで負けました。
この展開から考えるに、三手目の時点でこの未来を予測して、対抗する手を打つべきだったと思われる。つまり、3ポイントにアンカーしている相手に対しては、インナーを作ったとしても脅威とはならず、むしろ元々逃げ出したかった4ゾロ・6ゾロを防ぐべく、アンカーからやや離れたところにポイントを構築していくべきだったのだと思われます。

というようなことは後から見て考えられるだけであって、微妙過ぎる違いがat the tableで私にはまだ見えません。

XGID=---b--E-C---bE-B-cce------:0:0:1:32:1:4:1:5:10

X:mkisono O:fuka'
Score is X:1 O:4 5 pt.(s) match.
+13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
| X X O O | | O |
| X X O O | | O |
| X O O | | O |
| X | | O |
| X | | O |
| |BAR| |
| | | X |
| | | X |
| X | | X |
| O X | | X O |
| O X | | X O |
+12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count X: 149 O: 145 X-O: 1-4/5 Crawford
Cube: 1
X to play 32

1. Rollout¹ 13/11 13/10 eq:+0.161
Player: 53.93% (G:8.01% B:0.41%)
Opponent: 46.07% (G:10.63% B:1.04%)
Confidence: ±0.005 (+0.156..+0.166) - [100.0%]
Duration: 15 minutes 36 seconds

2. Rollout¹ 13/8 eq:+0.136 (-0.025)
Player: 53.48% (G:6.51% B:0.35%)
Opponent: 46.52% (G:8.84% B:0.47%)
Confidence: ±0.005 (+0.131..+0.142) - [0.0%]
Duration: 14 minutes 02 seconds

3. 4-ply 13/10 6/4 eq:+0.076 (-0.085)
Player: 49.85% (G:7.69% B:0.22%)
Opponent: 50.15% (G:11.79% B:0.35%)

4. 4-ply 13/11 8/5 eq:+0.069 (-0.092)
Player: 49.75% (G:7.20% B:0.21%)
Opponent: 50.25% (G:11.55% B:0.32%)

5. 3-ply 13/10 8/6 eq:+0.067 (-0.094)
Player: 50.36% (G:5.85% B:0.15%)
Opponent: 49.64% (G:8.79% B:0.18%)

¹ 1296 Games rolled with Variance Reduction.
Moves: 3-ply, cube decisions: XG Roller

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

ちなみに、マネーゲームとしてロールアウトすると、13/8の方が若干評価がよいです。

XGID=---b--E-C---bE-B-cce------:0:0:1:32:0:0:3:0:10

X:mkisono O:fuka'
Score is X:0 O:0. Unlimited Game, Jacoby Beaver
+13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
| X X O O | | O |
| X X O O | | O |
| X O O | | O |
| X | | O |
| X | | O |
| |BAR| |
| | | X |
| | | X |
| X | | X |
| O X | | X O |
| O X | | X O |
+12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count X: 149 O: 145 X-O: 0-0
Cube: 1
X to play 32

1. Rollout¹ 13/8 eq:+0.135
Player: 53.31% (G:6.02% B:0.24%)
Opponent: 46.69% (G:7.82% B:0.23%)
Confidence: ±0.012 (+0.123..+0.147) - [97.1%]
Duration: 19 minutes 21 seconds

2. Rollout¹ 13/11 13/10 eq:+0.118 (-0.017)
Player: 53.57% (G:7.39% B:0.31%)
Opponent: 46.43% (G:9.57% B:0.32%)
Confidence: ±0.013 (+0.105..+0.131) - [2.9%]
Duration: 21 minutes 16 seconds

3. 3-ply 13/10 8/6 eq:-0.016 (-0.151)
Player: 50.43% (G:5.61% B:0.14%)
Opponent: 49.57% (G:8.42% B:0.17%)

4. 3-ply 6/1 eq:-0.020 (-0.155)
Player: 50.03% (G:6.69% B:0.15%)
Opponent: 49.97% (G:8.85% B:0.15%)

5. 3-ply 13/10 6/4 eq:-0.045 (-0.180)
Player: 50.11% (G:7.59% B:0.25%)
Opponent: 49.89% (G:11.59% B:0.31%)

¹ 1296 Games rolled with Variance Reduction.
Moves: 3-ply, cube decisions: XG Roller

eXtreme Gammon Version: 2.10

2015年4月26日日曜日

序盤：オンザバーから1ゾロ振ったとき

2015/4/19 四谷ひろば例会では、深澤さんにも対戦していただきました（しかも2試合）。深澤さんとの対戦はとても楽しいです。もう少しでギリギリ勝てそうなチャンスがありながら、なかなか勝てない実力差が丁度良いです。

棋譜を送っていただいたので振り返っていたところ、いくつも気づきがありました。その中のひとつが、序盤にオンザバーから1ゾロを振った場面で、ヒットすべきか、5ポイントを作るべきか？という問題です。

7ポイントマッチのオープニングゲーム。白の私が初手43でスプリットし、黒がレスポンスの52でヒットしたあと、白が1ゾロを振りました。

非常に似たような局面ですが、こちらは5ポイントマッチを1-0とリードしている5手目でこうなりました。

序盤に1ゾロが出たら、5ポイントを作る手がもっとも有力だと思います。ヒットするターゲットがなければ迷わずそうしているところでしょう。問題は、21ポイントにあるブロットをヒットすることと、どちらがお得なんだろうか？ということです。

21ポイントのチェッカーをヒットすれば、当然ピップでリードできますが、むしろ獲得できるのはそれだけでしょう。
一方で、5ポイントを作ることは長期的な資産になりますし、ボードの強さで明確に上回ることができます。さらに、黒の側からすると、自陣にブロットを放置しておくわけにもいかないので、次に2や4が出たら、ブロットをカバーすることにその目を使わざるを得ないでしょう。

そういうわけで、この形ではブロットヒットするよりも、5ポイントを作る方がお得なんだと思います。きっとそうなんじゃないかと最近薄々感づいていたのですが、一日に2度も同じミスをしたのなら、鈍い私にもはっきり認識できました。きっとギャモンの神様が、深澤さんを通じて私にお告げをくださったのだと思います。ありがたき深澤神。

XGID=-b----E-CA--dD---d-d-a--AA:0:0:1:11:0:0:0:7:10

X:mkisono O:fuka'
Score is X:0 O:0 7 pt.(s) match.
+13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
| X O | | O O X |
| X O | | O |
| X O | | O |
| X O | | O |
| | X | |
| |BAR| |
| | | X |
| O | | X |
| O X | | X |
| O X | | X O |
| O X X | | X O |
+12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count X: 164 O: 160 X-O: 0-0/7
Cube: 1
X to play 11

1. Rollout¹ Bar/23 6/5(2) eq:+0.283
Player: 56.40% (G:17.32% B:0.90%)
Opponent: 43.60% (G:13.02% B:0.66%)
Confidence: ±0.016 (+0.267..+0.298) - [100.0%]
Duration: 24 minutes 47 seconds

2. Rollout¹ Bar/21* eq:+0.220 (-0.062)
Player: 54.26% (G:17.72% B:1.12%)
Opponent: 45.74% (G:11.58% B:0.66%)
Confidence: ±0.017 (+0.204..+0.237) - [0.0%]
Duration: 30 minutes 36 seconds

3. 4-ply Bar/24 6/5(3) eq:+0.197 (-0.086)
Player: 54.85% (G:16.09% B:0.74%)
Opponent: 45.15% (G:12.43% B:0.66%)

4. 4-ply Bar/24 8/7 6/5(2) eq:+0.182 (-0.101)
Player: 54.51% (G:16.30% B:0.82%)
Opponent: 45.49% (G:13.16% B:0.89%)

5. 3-ply Bar/24 9/8 6/5(2) eq:+0.142 (-0.140)
Player: 53.76% (G:15.04% B:0.72%)
Opponent: 46.24% (G:12.76% B:0.54%)

¹ 1296 Games rolled with Variance Reduction.
Moves: 3-ply, cube decisions: XG Roller

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

XGID=-a-aB-D-BA--dD---c-e-a--AA:0:0:1:11:1:0:0:5:10

X:mkisono O:fuka'

Score is X:1 O:0 5 pt.(s) match.

+13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+

| X O | | O O X |

| X O | | O |

| X | | O |

| | X | O |

| |BAR| |

| | | |

| O | | X |

| O X | | X X |

| O X X | | X X O O |

+12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+

Pip count X: 158 O: 156 X-O: 1-0/5

Cube: 1

X to play 11

1. Rollout¹ Bar/23 6/5(2) eq:+0.634

Player: 61.41% (G:20.75% B:2.09%)

Opponent: 38.59% (G:12.04% B:1.02%)

Confidence: ±0.020 (+0.614..+0.654) - [99.9%]

Duration: 19 minutes 12 seconds

2. Rollout¹ Bar/24 9/8 6/5(2) eq:+0.590 (-0.044)

Player: 60.59% (G:20.90% B:2.17%)

Opponent: 39.41% (G:11.31% B:1.04%)

Confidence: ±0.018 (+0.572..+0.608) - [0.1%]

Duration: 18 minutes 08 seconds

3. Rollout¹ Bar/21* eq:+0.536 (-0.098)

Player: 59.08% (G:20.76% B:2.93%)

Opponent: 40.92% (G:9.78% B:0.60%)

Confidence: ±0.019 (+0.517..+0.556) - [0.0%]

Duration: 23 minutes 05 seconds

4. 2-ply Bar/23 4/3*(2) eq:+0.349 (-0.285)

Player: 55.99% (G:18.97% B:1.21%)

Opponent: 44.01% (G:11.54% B:0.52%)

5. 2-ply Bar/24 6/3* eq:+0.273 (-0.361)

Player: 54.74% (G:18.82% B:1.11%)

Opponent: 45.26% (G:13.40% B:0.97%)

¹ 1296 Games rolled with Variance Reduction.

Moves: 3-ply, cube decisions: XG Roller

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

2015年4月22日水曜日

2015/4/19 四谷ひろば例会

先週の日曜日、四谷ひろば例会に参加しました。リーグ戦もないので、ひたすらレーティング戦で遊ぶつもりで出かけました。

まず、横浜マリンタワー例会でよくお会いする鈴木さんと対戦しました。レーティング戦では初めての対戦です。7ポイントマッチの序盤に0-3とリードされて迎えたゲームも劣勢で、鈴木さんから厳しいキューブが来ました。

白の鈴木さんからの厳しいキューブ　バツクマン初期配置だしエースポイントも埋めてしまっている　テイクしたのはブランダー pic.twitter.com/4YdHKG21s7
— Masahiro Kisono (@mkisono) April 19, 2015

この局面を評価すると：

ピップはほぼ互角
ボードは白が強い
白は3ポイントにアンカーしており、アンカーから6ピップ離れたポイントは空いているから逃げ出しやすい
黒はバックマンが初期配置
黒は6ポイントがスタックしている
黒は自陣のエースポイントを作ってしまっている

こう考えると、黒の私が有利な材料は見当たらないのでした。スコアで負けているために思わずテイクしてしまったのですが、こんなことやっていてはダメですね。

ちなみにこの後流れがこちらに来て、ギャモンもあり得る4倍のキューブを返す展開になったのですが、何事も起こらずに完封負けしました。
以前の鈴木さんは、チェッカーの動かし方が将棋っぽかったのですが、今はもうすっかりギャモンプレイヤーの駒扱いになってたような気がしますw

XGID=-B-b--EBB---cB---b-bbb-bB-:0:0:-1:00:0:3:0:7:10

X:Player 2 O:Player 1
Score is X:3 O:0 7 pt.(s) match.
+13-14-15-16-17-18------19-20-21-22-23-24-+
| X O O | | O X O |
| X O O | | O X O |
| X | | O |
| | | O |
| | | O |
| |BAR| |
| | | |
| | | |
| | | |
| O X | | X X X X O |
| O X | | X X X X O |
+12-11-10--9--8--7-------6--5--4--3--2--1-+
Pip count X: 133 O: 136 X-O: 3-0/7
Cube: 1
X on roll, cube action

Analyzed in Rollout
No double
Player Winning Chances: 72.33% (G:23.41% B:1.86%)
Opponent Winning Chances: 27.67% (G:5.82% B:0.16%)
Double/Take
Player Winning Chances: 72.21% (G:23.95% B:3.90%)
Opponent Winning Chances: 27.79% (G:6.11% B:0.39%)

Cubeless Equities: No Double=+0.716, Double=+1.575

Cubeful Equities:
No double: +0.888 (-0.112)
Double/Take: +1.098 (+0.098)
Double/Pass: +1.000

Best Cube action: Double / Pass

Rollout:
1296 Games rolled with Variance Reduction.
Moves: 3-ply, cube decisions: XG Roller
Confidence No Double: ± 0.010 (+0.878..+0.898)
Confidence Double: ± 0.020 (+1.078..+1.118)

Double Decision confidence: 100.0%
Take Decision confidence: 100.0%

Duration: 12 minutes 32 seconds

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

吉川さんとも初めての対戦でした。このマッチもリードされてますが、なんとかクロフォードを切り抜けたあとのゲームも苦しい展開となりました。白の私はギャモンを取って逆転勝ちを狙っているのですが、決め手に欠ける51を振ってしまいました。

吉川さんとの5pマッチ　ポストクロフォードです　ダブルヒットしましたが、相手の出目は14でした pic.twitter.com/decqAK09ZV
— Masahiro Kisono (@mkisono) April 19, 2015

ダブルヒットすると、ブロットだらけで危険なようではありますが、逆にリターンヒットされなければギャモン勝ちを大きく引き寄せることができますし、仮に打たれたとしても今度は相手のインナーボードのブロットを拾えるかもしれません。これ以外の手は大ブランダーです。

XGID=-a--ABDaB--BdB---cAea-A---:1:-1:1:51:2:4:0:5:10

X:Player 1 O:Player 2
Score is X:2 O:4 5 pt.(s) match.
+24-23-22-21-20-19------18-17-16-15-14-13-+
| X O O | | X O X | +---+
| O | | O X | | 2 |
| O | | O | +---+
| O | | |
| O | | |
| |BAR| |
| | | |
| X | | O |
| X | | O |
| X X | | X X O |
| O X X X | | O X X O |
+-1--2--3--4--5--6-------7--8--9-10-11-12-+
Pip count X: 142 O: 153 X-O: 2-4/5
Cube: 2, O own cube
X to play 51

1. 3-ply 8/7* 6/1* eq:+0.790
Player: 60.49% (G:29.02% B:1.23%)
Opponent: 39.51% (G:12.40% B:0.98%)

2. 2-ply 18/13 8/7* eq:+0.591 (-0.200)
Player: 57.99% (G:21.54% B:1.19%)
Opponent: 42.01% (G:11.91% B:0.66%)

3. 2-ply 13/7* eq:+0.575 (-0.216)
Player: 56.67% (G:22.05% B:1.45%)
Opponent: 43.33% (G:13.84% B:1.07%)

4. 2-ply 8/3 4/3 eq:+0.541 (-0.249)
Player: 57.58% (G:19.47% B:0.59%)
Opponent: 42.42% (G:10.28% B:0.45%)

5. 2-ply 18/13 6/5 eq:+0.517 (-0.273)
Player: 59.65% (G:16.21% B:0.60%)
Opponent: 40.35% (G:8.39% B:0.28%)

eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2

実戦では、ギャモンを狙うどころか、バックゲームに持ち込むのやっとの展開になりました。最後は、下図ような状態になりました（白のインナーとかアウターはうろ覚え、相手のインナーに2枚置いていたのは確かです）。
調べてみると、白の勝率が30%を超えていましたが、ここで吉川さんが 54,43,66 みたいなシーケンスでサイコロを振り、私にはまるっきりお楽しみが無くマッチ負けしました。素晴らしい出目だなーと感嘆しました。

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